教員インタビュー 上原 主義 助教(看護学科)
1.ご自身の専門分野について教えてください。
主に難病看護、高齢者看護を専門としています。看護師時代は、長期療養型病棟で神経・筋難病の対象者への看護に携わっていました。また、実習指導者として学生に高齢者看護を指導していました。
2.大学で主に担当されている教科と、学生教育に対する取り組みについて教えてください。
担当科目は、「老年看護活動論Ⅰ・Ⅱ」「老年看護学実習Ⅰ・Ⅱ」「「統合実習」「地域との協働Ⅱ」です。
講義や演習を通して、高齢者に多い疾患にはどのようなものがあるのか、身体面・精神面・社会面においてどのような看護が必要となるのかをお話しています。
実習では、実際に高齢者と関わることで、知識や技術はもちろんのこと、看護師としての態度なども指導しています。看護は知識・技術だけよければ、よい看護ができるとは限りません。私の場合、学生に講義だけでは教えきれないことを、実習での高齢者の方、難病の方との関わりを通して学んでもらい、看護師として何ができるのかを真剣に考えてもらいたいと思っています。また、学生には看護師である前に一人の「人」として成長してほしいと思っています。
3.現在取り組まれている研究内容について教えてください。
難病の方、特に筋ジストロフィーの対象者がどのような人生を送られて、どのような看護を必要としているのかを探究しています。また、神経・筋難病看護に携わっている看護師の現状についても調べています。難病看護は、看護師の世界でもまだまだ認知度が低い現状にあると感じています。しかし、難病看護はその他の領域の看護にも生かせる考え方であったり、技術などを備えていると信じています。そのため研究を通して広く難病看護について知ってほしいと願っています。
また、老年看護学に関して、学生にいかに知識と技術を身についてさせていけばよいかといった教育方法についても今後研究していきたいと考えています。
4.名寄市立大学の学生に対する印象。
看護学科の教員の立場で学生を見ていると、講義や演習の課題、実習など取り組まなければならないことが多くある中、サークルやバイト、趣味などにも一生懸命取り組み、バランスよく学生生活を送っている印象があります。保健福祉分野の職業は、学校を卒業してからも仕事と自己研鑽を両立させなければならない分野です。学生のうちから、生活のバランスをコントロールする能力を培い、専門職として生きていくという決意が徐々に固まってきているように見ていて感じています。
5.名寄市の印象はどうでしょう?良いところ悪いところ含めて教えてください。
私はこちらの大学の卒業生ですが、学生時代から変わらず市民の方々が学生や教員に対してやさしいところが一番良いところだと思っています。学生時代は下宿のおばさんやバイト先のおじさんにたくさん支えてもらいました。教員となって戻ってきた今でも、学生時代にお世話になった方々はもちろんのこと、演習や実習を通して交流させていただいている市民の方々に、たくさん支えられています。最北端の公立大学で、小さな地域ですが人とのつながりは、他の学校・地域に負けていないと思います。
良い面悪い面、両方兼ね備えているものとして「雪」があります。名寄市は、雪質日本一と呼ばれるほどの上質な雪に恵まれ、なよろ雪質日本一フェスティバルでは毎年素晴らしい作品を見ることができます。また気候条件がそろえばサンピラーという幻想的な現象にも出会うことができます。しかし雪の量が多く、雪かき・交通で苦労することもあります。私にとって雪かきは、運動不足を解消させる活動の一つとなっています。
6.これから大学を選ぶに際して名寄市立大学を希望する高校生の皆さんへメッセージをお願いします。
保健福祉学部のどの学科も専門性が高く、一生懸命取り組んでいかなければなりません。そのような状況で必要となってくるのは、教育環境と仲間です。「自然」と「人とのつながり」が豊富な環境、将来の目標に向かってともに頑張っていく同級生、親切で頼りがいのある先輩、名寄市立大学には将来の皆さんの目標を叶えるうえで大切なものが多くあると思います。一緒に実りある大学生活にしていきましょう。