古牧 徳生 教授(教養教育部)が翻訳「ポリス的動物 生物学・倫理・政治」を刊行しました。
業績概要
論文・書籍等の区分 | 翻訳 |
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本学執筆者 | 古牧 徳生 |
論文・書籍名 | 翻訳『ポリス的動物 生物学・倫理・政治』 |
著者名(著者一覧) | 古牧 徳生 |
搭載誌名・出版社名 | 春秋社 |
刊号・掲載ページ等 | A5版 本文392頁 3800円(税別) |
内容要旨 | 本書はイギリスの哲学者スティーブン・リチャード・リスター・クラーク(1945-)の著書”The Political Animal”(1999)の全訳である。内容は、人間を「ヒト」という動物として見れば、いかなる社会が要請されるかを考察することであり、一言で言えば生物学的見地から考察した社会哲学である。全体の大前提になっているのは種の否定、つまり生物学的種は自然界に客観的に存在する種類ではないということである。実際に存在しているのは交配関係にある個体たちの群れだけであり、俗に言う人間本性などないとなると、人間とチンパンジーとに本質的な境界線などなくなる。すると人間を特別な存在とみなすことは不可能となるから、人間以外の動物も視野に入れた新しい倫理を構築しなければならない。そこでクラークは種別を超えて身近な動物たちも配慮の対象にした環境無政府社会こそ、これからの在るべき社会であり、またそうした社会こそ、ポリス的動物たる人間に最もふさわしいポリスであると力説する。 |