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コラム@NCU「つながり(第3回:つながりの量より質を)」(石川 貴彦)

 みなさん、こんにちは。名寄市立大学の石川です。私はインターネットやプログラミングといった情報分野を専門に研究しています。今回は、私の専門分野とテーマである「つながり」を絡めて話していきましょう。
 最近はTwitterやfacebookなどといった、インターネット上での交流が盛んになってきています。また、LINEなどグループで共有できるメール機能も急速に発展してきました。私が高校生だった頃は、このような仕組みは当然なく、インターネットや携帯電話もありませんでした。大学生の頃からようやく普及してきた感じです。そう考えると、みなさんは「つながり」に関してとても恵まれた環境だと、私はうらやましく思います。
 当時の私の場合、「つながり」の手段は手紙でした。電話は固定電話なので、場所は家からに限られます。かけた時間に相手が家にいないとつながらなかった訳です。そのため、手紙が相手と確実につながる手段だったのです。私が手紙を出して相手からの返事がくるまで1週間かかりました。現在なら、私がメールを送信し相手から返信がくるまで、おそらく数分程度で済むことでしょう。これに比べると、1週間なんて随分と時間がかかるな、つながりの薄い関係だなと、みなさんは思うかもしれません。
 でも、よく考えてみてください。手紙をポストに投函し、相手の郵便受けに届くまで3日くらいはかかります。その逆も同じで、相手からの返事が私に届くまで3日かかります。そうなると、1週間のうち6日が配達に費やした時間なのです。ということは、相手が私からの手紙を読み、返事の内容を考え、それを便箋2枚にぎっしり書いて封筒に入れ、コンビニ等で切手を買って、ポストに投函するまでの過程を、1日で即時にやってくれたことが逆算でわかるのです。
 つながることが、かつては、とても手間と時間のかかることでした。でも、自分のためにわざわざ労力を割いてくれたのかと思うと、その分「つながり」の強さを手紙から実感することができた時代でした。今では、スマートフォンの画面を指先で操作するだけで、簡単に早くつながることができます。より多くの人といつでもどこでも、という状況が便利であることは確かなのですが、その便利さが、今の私たちに「つながり」の本質を徐々に忘れさせてしまうような気がします。
 友人が100人いるとか、返事を30分以内にするとか、何かしらの「つながり」を量で表し、私たちはその値に束縛されているのかもしれません。友人が一桁だと恥ずかしい、返事が遅いと嫌われると思う人もいることでしょう。ですが重要なのは、一人ひとりとの「つながり」の「質」なのです。離れたところからでも相手を思いやる気持ちとか、久しぶりに会ったとき、すぐ打ち解けられるような思い出とか、便利な現代だからこそ、質を大切にしてほしい、そして質を高めるための関わりを持ってほしいと私は思います。

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