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コラム@NCU「高校3年生・高校生(第4回:大学生活で人生をリセット)」清水池 義治

 名寄市立大学の清水池です。さて、テーマは「高校3年生」ということですが、大変困っています。私が高校3年生だったのは、たった(もう?)18年前のことですが、どうも記憶力が低下しているらしく、あまりその頃のことを覚えていません。私の現在の専門は経済学なのですが、化学が好きだった私の進学した学部は農学部でした。つまり、私の人生の転機は大学に入ってからなのですが、高校時代のことを思い起こしてみます。
 考えてみると、高校時代は受験勉強漬けの日々でした。特に、高校3年生における受験勉強の日々は、今からするとかなり過酷でした。1日の勉強時間が長いのは当たり前ですが、思い出して愕然とするのは、ほぼ毎晩、金縛りにあっていたことです。強いストレスのため、よく眠れていなかったのです。私にとって受験勉強は生活の全てでしたから、絶対に失敗できないというプレッシャーが強かったと思います。家族からそういうプレッシャーをかけるような言動は一切なかったのにもかかわらずです。
 志望する大学をいつ、どのように決めたかも、よく覚えていません。ありがちな話ですが、私は化学や生物が得意だったので、自分の偏差値で行けそうな大学の農学部か理学部という安易な選択でした。当時、よく耳にしたバイオテクノロジーをやってみたいという思いはありましたが、それほど強いものでもありませんでした。大学で勉強ができれば、それでいいという感じです。将来やりたい仕事も、具体的にはありませんでした。
 ただ、大学選択ではっきりしていたのは、とにかく実家を出たいということです。私は広島県出身なのですが、広島から遠いところに行きたいという気持ちは明確にありました。それもあって、北海道の大学を選択しました。別に家族が嫌いだったわけではありません。むしろ、客観的に見て、とてもよい両親だったと思いますが、それがゆえに、実家にとどまれば自分は成長できないというふうに思っていました。自分のことを知っている人が誰もいない土地へ行って、一から勝負してみたかったのです。
 さて、結果は、志望大学に合格しました。しかし、実際に大学に行ってみたら、すっかり勉強意欲を失ってしまいました。私はこれまで受験のために勉強していたのであって、いざその目的がなくなると何のために自分が勉強するのか分からなくなったのです。私は、結局、2回留年したので、学部卒業に6年もかかってしまいました。しかも、3年間はほとんど授業に出ていません。多大な時間とお金の浪費であり、親には大変な迷惑と心配をかけました。その間、何をしていたかというと、農業とは関係のない、政治思想や経済哲学、戦争など現代社会の問題に関わる書籍などを読みあさり、そういうテーマを扱う学生サークルに出入りしたりしていました。その結果、現代社会の根幹には経済問題があると確信し、農学部ではバカ扱いされていた農業経済学科を選択し、今に至ります。
 結局、何が言いたいのかというと、将来やりたい仕事が明確に定まっている方は、自分の道を進んで下さい。私から付け加えて言うことはありません。将来やりたいことが決まっていない方は、とりあえず大学に行くことも悪いことではないと思います。大学にはいろんな人が集まっていまし、いろんな人と関わる機会にあふれています。そういう中で、必ず、自分の将来を見つけられます。そのためには、自分とは合わなさそうな人とも話をしてみるとか、自分の将来に関係なさそうなこともやってみるといったことがとても重要と思います。そうしないと、自分を変えようがありません。お金はともかく、時間は取り返しがつきません。大学生活を無為に過ごすのは非常にもったいないです。大学は、自分の人生をいったんリセットして、再出発できる無限の可能性に満ちたワンダーランドです。

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