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コラム@NCU 「共生・第3回:大学教育と共生」 石川 貴彦

名寄市立大学の石川です。今回は「共生」というテーマでコラムを…という依頼があって、色々書けそうだなと思っていたのですが、よくよく調べてみると実は難しいテーマだと気づき、しばらく思考が停止していました。結局あれこれ模索しても時間だけが過ぎていくので、読んで字の如く「共に生きる」と捉え、私が関わっている、大学の連携教育と絡めて述べていきたいと思います。

大学教育は、英語や情報処理のように、いわゆる「大卒」としてふさわしい知識を学ぶための教養教育と、将来の職種に関わる高度な知識や技術を学ぶための専門教育の2つで構成されます。名寄市立大学は教養教育と専門教育の他に、連携教育という様々な専門分野の人たちが集まって、お互いの専門性を発揮しながら課題解決に取り組んでいくための教育を特色としています。この連携教育が登場した背景は、病院でのチーム医療が大きく関わっています。医師や看護師だけが患者さんのケアに携わるのではなく、そこに管理栄養士が入って食の面からケアに加わったことで、病状が改善したという事例が多数あります。また、患者さんの退院後の生活などを支援していくためには、医療制度やメンタルヘルスに長けた医療ソーシャルワーカー(社会福祉士)の存在も重要になってきます。このように、それぞれの職種が専門性を発揮しながらも、チームで協力してケアに関わっていくことが、「共に生きる」ことにつながっていくのだと思います。つまり、連携教育は教養教育と専門教育に跨りながら、「共に生きる」ことの重要性を学ぶための教育なのです。

連携教育はチーム医療を背景にしているので、病院現場をイメージしやすいのですが、私たちは病院だけでなく、地域全体を連携教育の対象として捉えています。例えば、地元の農家さんと栄養学科の学生が協力して、栄養価の高い野菜を使った料理を共同開発し、社会福祉協議会の職員さんと社会福祉学科の学生が協力して、その料理を提供する住民イベントを催すというように、連携教育で地域を積極的に活用していくことで、様々な「共生」が作り上げられていくのです。

大学教育は、なりたい職業に就くための高度な知識や技術を身につけるための教育と思うかもしれませんが、自分の周りに誰かいなければ、その得た知識や技術を発揮する機会はありません。知識や技術も重要なことですが、人づくりも欠かせません。人づくりについては、神奈川県のかながわ教育ビジョン第1章、協働・連携による人づくりという項目でわかりやすく述べられていますので、それを引用してこのコラムを終えたいと思います。

人づくりは、まず家庭から始まり、その後、成長に応じて、世界を広げながら、地域・学校・社会へと様々な場面で行われます。

とりわけ、現代の社会状況の中で、人づくりが真に効果をあげるためには、自発的・自主的に取り組む人々や、地域や社会で積極的な役割を果たそうとする企業などとも力を合わせ、互いの持ち味を生かし合いながら、協働・連携を進めることがたいへん重要だと考えます。

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